10年先生き残れる本屋

出版不況だとかで本屋さんはかなり冬の時代。
無くなることは決してないけれど、もう春はやってこないでしょう。
それでもしっかり営業して生き残らなければならない。
そんな厳しい時代に生き残れる本屋さんについて自分なりの考えでもまとめてみます。

賛否両論あると思うけどあくまで個人的意見なので。


街にたくさんある本屋さんをリアル書店とするならば、
それを浸食してきてるのがamazonなどのネット書店。
このネット書店に対抗したり、ましてや競合店として潰そうとしたりするのは難しい。
ならば棲み分けて共存していくしかないでしょう。

amazonは正直ほんまにめっちゃ便利です。
今はまだそこそこ程度の利用者でしょうが、これから10年20年先は
amazonじゃなくなってるかもしれないけど)絶対利用者は増えます。
決して今より減ってることはないでしょう。
そのamazonに対抗しようなんて長い目でみても土台無理。

じゃぁどうするかといったら、amazonにできないことを本屋でやるだけです。
それはやっぱり気軽な立ち読かなと。
そしてその立ち読みから生まれる本との新しい出会い。
これがやっぱりamazonではなかなかできないかと。
amazonでは書評がいっぱい載ってたり関連作がすぐ分かったり、今や中身が見れる本もあります。
でもやっぱりまだまだ手軽ではない。これはこの先ずっと変わらないと思います。
手軽さではリアル書店に軍配があがります。

ただ、そうなってくるとリアル本屋さんも毎日の新刊をただ出してればいいだけではなくて、
しっかり棚作りや仕掛けをしていく必要があります。
ただ本の種類を置いといたら売れる時代は終わったのです。
紀伊国屋ジュンク堂も膨大な本の数を置いてますがそれでももちろん全ての本を置けてるわけではない。
それを分かってるからこそ最近はどんどん仕掛けをしていってるんだと思います。


ちょっと極端かもしれませんが、これからの時代探してる本が本屋さんになくてもいいと思うんです
(そりゃもちろんあった方がいいに決まってますが…)だってそもそも探してる本って本屋さんにあったことありますか?
マイナーなら普通に置いてなかったり、メジャーなら売切れてたり。。
だから、探してる本があればそれは10年20年先の時代ではみんなamazonとかで買うようになると思うんです。
その方がすぐ検索できるし絶対あるし早いし。


これからのリアル本屋さんの求めるお客様像は本を探してる人ではなくて、
何かいい本ないかなと思ってる人・本との出会いを求めてる人だと思うんです。
コミックだったら何か自分の知らない面白いコミックないかなぁとふらっと寄ってくれる人だったり、
書籍だったら何か自分のためになる自己啓発本無いかなぁと求めてやってくる人だったり。
で、実際本屋にくる人達ってそんな人が大多数だと思います。
そういう人といかに本屋として信頼関係を築けるか、それが今生き残るために一番大事なんです。
スタッフは売場ばかりみてないでそこに来るお客さんをもっと見るべきなんです。
昔の小さな街の本屋さんはそれができてたんだと思うんですが、書店が巨大化するにつれ
それがだんだん希薄になってきた。そして今もう一度規模はそのままで街の本屋さんに戻るべきかと。



”サードプレース”という言葉があります。直訳すると”3番目の場所”。
1番目が自分の家。2番目が職場。そして3番目が自分が自分らしくいられる場所。
そういう場所をサードプレースといいます。
それはその人が一番くつろげる場所ですね。
友達と喋るカフェだったり、CDショップだったり、図書館だったり人それぞれ違うと思いますが、
そういうサードプレースに本屋はならないとダメだと思ってます。
だからカフェ付き本屋だとかカタログを持たない提案性のみの本屋だとか色んな新しい形の本屋ができてきてます。


これからはしっかりお客様を見据えてお客様に提案できる楽しくて面白い売場を作れて
お客様との信頼関係を築くことができるお店が生き残っていくと思います。




あくまで本屋に限って話しましたが、これはそのままレンタルでも言えるのではないかと。
レンタルも絶対この先ビデオオンデマンドで映画配信が当たり前になります。
そしたらわざわざ店舗行って分かりにくい売場探さなくても検索で見たいのすぐ見れる。
ただ何が見たいか分からない人は店舗までわざわざ来てくれる。
そこでしっかりお客様に見たいと思わせる売場を作らないとね。
お客様のための売場を。